2018年2月1日

市長通信 お元気ですか 「一枚の写真」

阿南市ホームページ(HP)に「市長通信 お元気ですか」というページがあって、毎月岩浅嘉仁市長が自ら書いたおりふしのエッセーだったり、時事に関する一言などを載せていて好評である。
言わずもがな、岩浅市長は会議や式典などで、いつもウィットに富んだ、あるいはタイムリーな挨拶をされることで定評がある。
この市長通信、皆さんには是非期待をして毎月見てもらいたいと思う。
一体どんなことを書いてあるの?と関心のある方に、今現在、つまり2月に入ってHPに掲載されている最新の「市長通信」をご紹介したい。少し重めの内容ですが、「あまりにも悲しい写真」と題された一枚の貴重な写真にまつわる、岩浅さんらしいお話を一気に読んでもらいたいと思います。

 

あまりにも悲しい写真
阿南市HP 2月「市長通信 お元気ですか」より


    焼き場に立つ少年

 

「少年は気をつけの姿勢で、じっと前を見つづけた」。この写真は、1945年にアメリカ軍の元従軍カメラマン、故ジョー・オダネル氏(復員後は、ホワイトハウス付きカメラマンとしてトルーマンからニクソンまでの5代の大統領に仕えました)が、原爆投下後の長崎で撮ったものです。彼の著作から当時のようすを抜粋します。「この少年が死んでしまった弟をつれて焼き場にやってきたとき、私は初めて軍隊の影響がこんな幼い子供にまで及んでいることを知った。アメリカの少年はとてもこんなことはできないだろう。直立不動の姿勢で、何の感情も見せず、涙も流さなかった。そばに行ってなぐさめてやりたいと思ったが、それもできなかった。もし私がそうすれば、彼の苦痛と悲しみを必死でこらえている力をくずしてしまうだろう。私はなす術もなく、立ちつくしていた」……。
フランシスコ・ローマ法王は、昨年末、世界の教会関係者に向け、この写真のカードを配布しました。カードには「焼き場に立つ少年」と題し、法王の自署と「亡くなった弟を背負い、火葬の順番を待つ少年。少年の悲しみは、かみしめて血のにじんだ唇に表れている」とメッセージをしたためて、「核兵器は人類の平和と共存しない。この写真は、1000の言葉よりも人の心を動かしている」と語っています。
先般、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞し、核廃絶への世界的うねりの胎動を感じました。約2年前から始まった「ヒバクシャ国際署名」に、わが国の首長の署名は都道府県・区市町村の計1788自治体の5464%にあたる977自治体にのぼっています。阿南市長の私も、昨年6月に署名し、国連に提出されました。
申すまでもなく、現実的には日本はアメリカの核の傘に守られていますが、世界の人々は唯一の被爆国日本が核廃絶の主張を望むのは当然のことだと思っているはずです。
原爆の製造にかかわったオッペンハイマー博士は、核兵器に対抗する手段はあるのかとの質問に、こう答えました。「もちろんありますとも。平和です」と。

 阿南市長 岩浅 嘉仁

 

内容についてあえて説明や注釈を入れる必要はないでしょう。
いかがでしたか?
阿南市の住民だけでなく、是非ともより多くの皆さんにも読んでもらいたいと思ってご紹介しました。

岩浅さんはご存知のとおりさる2015年11月に行われた市長選では連合徳島推薦候補として4選目を戦い、勝利された。
連合の運動には常に理解を示していただき、自治体要請書の提出の際や常日頃のおりふしに、談論風発、かつて国会議員でもあった豊富な経験や先見的な見識に裏打ちされた一家言を拝聴しながら有意義な意見交換などをさせてもらっている。有難い存在である。
毎年8月に阿南市と実行委員会の共催で行われる「阿南市民平和祈念集会」には欠かさず出席して、たくさんの市民の前で「平和」や「反核」への熱い思いを訴える。

市長の座は3期12年にとどめ、多選と言われる4選には立候補しないという自らの公約を破ったことへの批判の中で行われた2015年の選挙では、3期12年における実績と山積する課題への力量を信頼されての当選となった。
しかしながら自らの公約破りということへの批判は今も残っていて、政治に身を挺することが天性、天分、天命のような人だから、4期終了後の政治活動をどのように継続していこうとするのか、注目される。

首長としてはまだまだ若い60余歳という年齢。
4期目当選後も子供から高齢者まで生き生きと暮らせる阿南市づくりに真摯に取り組む奮闘ぶりに敬意を表しながらも、公約の重さということと、野に下ってしまうのは市民にとって余りにも大きな損失だという思いが交錯して支持者の間でも意見が分かれる。

ただ言えることは、私たちの知る「岩浅嘉仁」という人物は、次の、さらにその次のステップでも政治という名のステージで躍動していなくては明らかに天命にそむくことになる、ということではないだろうか。

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