「エコパーク阿南」が完成しました。公契約条例の制定が急務!
2014年3月28日(金)、阿南市橘町、橘湾に浮かぶ「小勝島」の一角にかねてから建設中だった阿南市の新ごみ処理施設が完成し、竣工式が行われました。
名称は広く募集した結果「エコパーク阿南」となりました。 すでに昨年11月から試運転を続けていましたが、竣工式の後、4月1日から本格稼働に入りました。ごみの燃焼によって発電し、それを施設内で使用する画期的な方式だそうで、ほかにも風力や太陽光による発電も行い、出てくる灰などはほとんど有効利用するという極めてエコな施設となっています。 また、ダイオキシン類などの排ガス規制値は、国内で最も厳しい保障値を設定している、安全・安心についてはトップクラスの先進施設といえます。
このため、正式名称は「高効率ごみ発電施設」「リサイクルセンター」という、二つの施設からなる複合施設になっています。 敷地も充分に広く、環境保護などの啓発に向けた色々なイベントにも使うそうです。また建物の中には啓発のための部屋がいくつもあって、見学に 来た方々や地元の方々に向けて色々な啓発や発信をしていくようです。
ただ、この施設は「DBO方式」という方式を採用しており、これは官庁が建設した施設を、契約によって20年という長期間にわたって民間業者が運営していくもので、これは、あの小泉首相が強く押し進めた「規制の緩和」、「民でできることは民で」を合言葉に国が地方に導入を進めてきた、「超本格的な民間委託」の方式です。 まだ始まったばかりの方式なので、20年という長い期間が完了した例が国内にないため、長所短所が把握しきれていないのが現状といわれます。これは官の側も、業者の側も同じことがいえます。両者とも手探りの状態なのではないでしょうか。
住民のよりよい福祉を追求する行政と、より多くの利潤を追求する民間業者が手を結んで、相反する思惑の両者がこれからの20年、どうやって安全・安心な運転管理を保障していくのか、担当職員たちの良識に左右される不安定な部分が大きいともいえます。つまり住民の厳しい監視が不可欠だということです。
問題は長期間にわたる契約について競争入札をする場合、入札額を低くしようとするあまりに、手っ取り早く入札金額を削減するところは「人件費」ということになりがちです。案の定「エコパーク阿南」においても作業員のほとんどが安い賃金のパートの身分だということを聞きました。施設がすばらしいだけに唯一無念、残念なことです。
折しも先般、三好市において連合徳島の主催による「公契約条例制定に向けたセミナー」が開催されましたが、自治体が財政に窮したあげく、安上がりな民間委託を安易に選択するケースが増えている昨今、「官制ワーキングプア」が大量に作られることが懸念されます。
労働者の賃金などの劣悪な労働環境に歯止めをかけ、安心・安全・安定の施設運営を保障させる「公契約条例」を制定することこそが各自治体における住民のために必要な火急の施策です。
(阿南市、H・Oさんからの投稿より)
そのほかの竣工式の日の光景
「エコパーク阿南」が環境の大事さを自ら発信し、誰からも愛される施設となりますように!!